はじめに
美容整形に興味はあるけれど、「痛みが怖い」という理由で一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。確かにメスを入れる手術や注射を伴う処置では痛みが気になります。しかし現代の医療では麻酔や鎮痛薬が発達しており、術中の痛みはほぼコントロール可能です。
本記事では、美容整形の際に使用される麻酔の種類と、それぞれの痛みの感じ方について説明します。また、術後の痛みがどれくらい続くのか、痛みに対処する方法についても解説します。不安を軽減し、安心して施術に臨めるようお役立てください。
美容整形で使われる麻酔の種類
美容整形では施術内容に応じて様々な麻酔方法が使われます。主な種類と特徴を押さえておきましょう。
- 局所麻酔: 施術部位の周辺だけを麻酔する方法です。歯医者で使う麻酔と同じイメージで、注射によって麻酔薬を局所に浸透させます。まぶたの手術やプチ整形(ヒアルロン酸注射など)では局所麻酔のみで行うことが多いです。局所麻酔の注射針を刺すときに一瞬チクッとしますが、その後は施術部位の痛覚がブロックされます。
- 静脈麻酔(ウトウト麻酔): 点滴から鎮静剤を入れてうたた寝状態にする麻酔です。意識はぼんやりしますが完全には眠らないため、医師からの呼びかけに応じられる場合もあります。痛みへの恐怖心や緊張が強い場合に局所麻酔と併用されます。点滴針の刺入時に軽い痛みがありますが、その後記憶が曖昧になり、気づけば手術が終わっているという感覚になる人が多いです。
- 全身麻酔: 点滴または麻酔ガスで完全に意識を無くす麻酔です。骨切りを伴うような大きな手術や、長時間に及ぶ施術で用いられます。麻酔科医(または麻酔経験の豊富な医師)が全身状態を管理し、安全に進めます。全身麻酔中は意識も痛みも一切感じません。麻酔導入時に数秒間マスクから酸素を吸うよう指示され、その後記憶がなくなり、目が覚めたときには手術が終わっています。
- 硬膜外麻酔・局所ブロック: あまり一般的ではないですが、豊胸や脂肪吸引など広範囲の場合に硬膜外麻酔(腰から麻酔薬を入れる)を使うこともあります。また、顎の骨切りなどで神経ブロック注射(特定の神経だけ麻酔)を併用するケースもあります。いずれも痛みの伝達経路を遮断することで術中の疼痛を抑えます。
多くの美容外科クリニックでは、局所麻酔+静脈麻酔の組み合わせ、または全身麻酔のいずれかで対応することがほとんどです。いずれの方法でも、手術中は痛みを感じない状態を作り出すことができます。
手術中の痛みはあるのか
結論から言えば、適切に麻酔が効いていれば手術中に痛みを感じることはほぼありません。麻酔開始前に針を刺す痛みや、麻酔薬が入るときの一瞬の違和感はありますが、施術が始まってしまえば痛覚は遮断されています。
例えば、まぶたの手術(局所麻酔)では、麻酔注射のチクッとした痛みが一番大きく、その後メスを入れても痛みは感じず「押されている圧力」は分かるという程度です。「引っ張られる感覚はあるが痛くはない」と表現する人が多いです。
静脈麻酔や全身麻酔の場合、手術中の記憶自体がないため痛みの心配は不要です。ただし、静脈麻酔だと完全に眠っているわけではないため、人によってはうっすら記憶が残ることがあります。その際も、痛みというより「意識がぼんやりしていた」「何か話しかけられた気がする」といった程度です。
万が一、麻酔が不十分で痛みを感じるような場合は、患者が動いたり表情に出たりするため、医師や麻酔担当者がすぐ察知して追加麻酔を行います。痛みを我慢させたまま手術が続行されることは通常ありません。
ですから、手術中の痛みについては過度に心配しなくて大丈夫です。怖がりの方は静脈麻酔を併用できるか相談してみると良いでしょう。ほとんどの場合、「気づいたら終わっていた」という体験になるはずです。
術後の痛みはどれくらい?
麻酔が切れた術後に痛みが出ることはあります。ただし、その程度や期間は施術内容によって様々です。
- プチ整形や小手術: 二重埋没やヒアルロン酸注射などでは、術後の痛みはほとんどありません。麻酔が切れたあとも、「少し腫れて重たい感じ」がする程度で、痛み止めを飲む必要もない人が多いです。
- 顔の皮膚・軟部組織の手術(例:二重切開、鼻尖形成など): 術後数日は鈍い痛みやズキズキ感が出ますが、処方された痛み止めを飲めば十分和らぎます。たとえば二重切開では、1〜2日目がピークで違和感がありますが、1週間もすれば日常生活で痛みを意識しない程度になります。鼻の手術では鼻骨を削った場合などは圧痛がもう少し長引く場合がありますが、こちらも1〜2週間で落ち着くケースがほとんどです。
- 豊胸術・脂肪吸引: これらは術後の筋肉痛に似た痛みが強めです。特に豊胸は大胸筋下にプロテーゼを入れた場合、腕を動かすたびに胸筋が痛むため、初週は痛み止めが欠かせません。脂肪吸引も広範囲だと筋肉痛様の痛みと突っ張りが1〜2週間続きます。しっかり鎮痛剤を飲み、圧迫着で固定することで次第に改善します。
- 骨を伴う輪郭・顎手術: 大掛かりな手術では、術後の痛みも長引く傾向です。顎の骨切りでは数日間は強い痛みがありますが、入院管理や点滴鎮痛で和らげます。退院後は飲み薬で痛みを調整し、1〜2週間ほどで日常生活に支障ないレベルになることが多いです。
- 術後の頭痛・のどの痛み: 全身麻酔をした場合、麻酔覚醒後に頭痛や喉の痛み(挿管による刺激)が出ることがあります。これらも一時的なもので、水分補給や鎮痛剤の使用で徐々に改善します。
個人差はありますが、ほとんどの痛みは時間経過とともに和らぐものです。術後に処方される痛み止め(鎮痛薬)は、我慢せず適切に使用してください。「痛くなってから飲む」より「痛くなる前に定期的に飲む」ほうが効果的な場合もありますので、医師の指示に従いましょう。
痛みに対処するための工夫
術後の痛みや違和感に対して、以下のような対処法・工夫があります。
- 痛み止めの服用: 前述の通り、処方された鎮痛薬は遠慮なく使いましょう。ロキソニンなどのNSAIDs系が処方されることが多いですが、胃が弱い人は胃薬と一緒に飲むなどケアしてください。痛みが強いときは我慢せず追加でもらえないか相談して構いません。
- アイシング(冷却): 手術部位を冷やすと腫れを抑え痛みも軽減します。清潔なタオルでくるんだ保冷剤を当てるなどしてみましょう。ただし、あまり長時間冷やしすぎないよう適度に行います(20分冷やしたら20分休む等)。
- 安静と休養: 体を動かすと痛む場合は、無理せず安静にします。特に術後数日は安静にしているだけで痛みが和らぐことが多いです。眠れるときはしっかり睡眠を取って体力回復につとめましょう。
- 患部を高くする: 顔の手術の場合、枕を高めにして上半身を起こして寝ると血流が下がり腫れ・痛みが軽減します。心臓より患部を高く保つイメージです。
- リラックス法: 痛みに意識が向きすぎるとかえって強く感じてしまいます。音楽を聴いたりテレビや動画を見る、本を読むなどして気を紛らわせるのも有効です。好きな香りのアロマを焚いてリラックスするのもよいでしょう。
また、「この痛みは本当に大丈夫な痛みなのか」と不安になると心理的にもつらくなります。気になる場合は遠慮なくクリニックに連絡し相談してみてください。「その程度なら順調ですよ」「もう◯日もすれば楽になります」といった説明をもらえるだけで安心でき、痛みの感じ方も和らぐことがあります。
不安なときは医師に相談を
痛みに弱い方や不安が強い方は、事前にその旨を医師に伝えておくことも大切です。医師側も患者の不安を理解していれば、麻酔や鎮痛剤の計画をより手厚くしてくれる場合があります。
例えば「注射が怖い」という方には、麻酔注射の前に麻酔クリームや冷却スプレーで表面麻酔をして痛点を鈍らせてくれることがあります。また、「術後の痛みが心配」と伝えれば、痛み止めを多めに処方してくれるかもしれません。
信頼できるクリニックであれば、患者の不安に寄り添い可能な限り対応策を考えてくれるはずです。痛みへの恐怖も含めて相談することで、精神的な安心感も違ってきます。
まとめ
美容整形における痛みは、適切な麻酔とケアによって大幅に軽減・コントロールできます。痛みへの不安を解消するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 手術中は麻酔が効いているため基本的に痛みを感じない。局所麻酔のみでも施術中は痛覚がブロックされ、静脈麻酔や全身麻酔では意識もないので心配不要
- 術後の痛みは施術内容によって様々だが、鎮痛薬の服用で耐え難い痛みになることはほとんど避けられる。腫れや筋肉痛様の痛みも日毎に改善していく
- 痛み止めの適切な使用、冷却や安静などのセルフケアで痛みを上手にコントロールする
- 痛みに弱いことは恥ずかしいことではない。不安な場合は事前に医師に伝え、術後のケアについても積極的に相談する
- 我慢しすぎず、辛いときは医師や看護師に相談して対処法を仰ぐ。精神的な安心も痛み軽減につながる
誰でも手術となると痛みへの恐怖はあるものです。しかし、現代医療の助けを借りればその痛みの大半は和らげることが可能です。痛みへの備えを万全にし、不安を減らして美容整形に臨みましょう。術後に「思ったより平気だった」と感じられれば、自分の一歩に自信が持てるはずです。


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