美容整形のリスクと安全性|知っておきたい副作用・合併症と対策

美容整形の基礎知識

はじめに

美容整形は理想の自分に近づく手段ですが、同時に医療行為である以上リスクが存在することも忘れてはなりません。成功例に目を奪われがちな一方で、リスクについて十分な説明を受けずに施術を受け、後から不安になるケースも見受けられます。

「失敗したらどうしよう…」という漠然とした不安を抱える方のために、この記事では美容整形の安全性とリスクについて整理します。起こり得る副作用・合併症の具体例と、それらを最小限に抑えるためのポイントを解説します。正しい知識を持って、安全に美容整形に臨みましょう。


美容整形に共通する主なリスク

美容整形の種類に関わらず、多くの施術に共通するリスクがあります。代表的なものを挙げます。

  • 感染症: 施術部位から細菌感染を起こすリスクです。傷口が化膿したり発熱する場合があり、抗生剤の投与や場合によっては処置が必要です。無菌操作の徹底や術後のケアでリスクを下げられますが、ゼロにはできません。
  • 内出血・血腫: 術後に皮下出血が起こり、青あざや腫れとなって現れることがあります。通常は時間とともに吸収されますが、大きな血腫ができた場合は排出処置が必要になることもあります。
  • 瘢痕(傷跡): 切開を伴う手術では、傷跡が残るリスクがあります。通常は時間とともに目立たなくなりますが、体質によってはケロイド肥厚性瘢痕といった盛り上がった傷になる場合もあります。傷跡の出来方は個人差が大きい部分です。
  • 左右差・非対称: 人体は完全な左右対称ではないため、施術後に左右差が出ることがあります。医師が細心の注意を払っても、腫れの引き方や組織の反応で多少の差が生じるのは珍しくありません。
  • 麻酔の副作用: 麻酔による吐き気・頭痛・めまいなど、一時的な副作用が出ることがあります。全身麻酔の場合はごく稀に重篤な合併症(麻酔事故)も報告されていますが、適切な管理下では極めて稀です。

以上のようなリスクは、美容整形に限らず外科的処置にはつきものです。大半は適切に対処すれば大事に至らないものですが、「絶対に安全な施術は存在しない」という前提で準備をしておくことが重要です。

施術別に見られるリスクの例

次に、特定の施術で注意すべき合併症や後遺症の例をいくつか紹介します。

  • 二重整形(埋没法・切開法): 二重のラインが薄くなる・消失する、ラインの左右差、まぶたの裏側の糸の露出(埋没法)など。切開法では目元の硬さや凹みが残るケースもあります。
  • 隆鼻術(鼻プロテーゼなど): プロテーゼ(人工軟骨)のずれ・突出、感染による除去、鼻先の皮膚の薄薄化による赤みやテカリ。自家組織による隆鼻でも、軟骨が思った位置に定着しないケースがあります。
  • 豊胸術(シリコンバッグ): カプセル拘縮(挿入したバッグの周囲に硬い膜ができ胸が不自然に硬くなる)、左右差、バッグの破損・漏れ。自身の脂肪注入では脂肪の一部が石灰化してしこりになることがあります。
  • 脂肪吸引: 吸引ムラによる凸凹、皮膚のたるみ、左右差。深部の血管損傷による大量出血や、脂肪塞栓(脂肪が血管に詰まる重篤な合併症)は極めて稀ですが報告があります。
  • 骨切り・顎骨手術: 顔面神経の損傷による知覚麻痺やしびれ(特に下顎の骨切りで下唇の感覚鈍麻が一定期間残ることがあります)、咬み合わせの変化、骨の癒合不全(骨がうまくつながらない)など。リスクが高いため、非常に慎重な判断と高度な技術が必要な分野です。

これらはあくまで一例ですが、施術ごとに特有のリスクが存在します。カウンセリング時には、自分が受ける予定の施術にどんなリスクがあり得るのかを必ず確認しましょう。

リスクを最小限にするために

リスクをゼロにすることはできませんが、適切な対策を取ることでリスクを減らすことは可能です。

  • 信頼できる医師・クリニックを選ぶ: 経験豊富で実績のある医師はトラブル発生率も低く、万が一問題が起きても適切に対処してくれます。クリニックの衛生管理やアフターケア体制も含めて、信頼できるところを選びましょう(クリニック選びのポイントは別記事「後悔しない美容整形クリニックの選び方」で詳しく解説しています)。
  • カウンセリングで遠慮しない: リスクについて少しでも不明点があれば、その場で質問して解消しておきます。「失敗したらどうなりますか?」「傷跡はどの程度残りますか?」など、気になることは遠慮せず確認しましょう。明確に答えられない医師であれば信頼性に疑問符が付きます。
  • 自分の体調を整える: 手術当日に向けて自分の体調管理を万全にします。十分な睡眠と栄養、そして可能であれば禁煙(喫煙は傷の治りを遅くし感染リスクを上げるため)を心がけましょう。また持病や現在服用中の薬は必ず事前申告し、手術に影響がないか確認してもらいます。
  • 術後のケアを遵守する: 術後に医師から指示されるケア(消毒、軟膏塗布、圧迫固定、安静期間など)は、面倒でもきちんと守ることが合併症予防につながります。例えば指示より早く入浴したり運動したりすると、感染や出血を招く恐れがあります。説明書をよく読み、わからなければ確認しましょう。

これらは基本的なことですが、一つひとつ確実に行うことでリスク発生率を下げ、また万が一トラブルが起きても軽度で済ませられる可能性が高まります。

カウンセリングで確認したい安全面の質問

カウンセリングでは施術内容だけでなく、安全対策についても質問しておくことが重要です。以下のような質問を検討してみてください。

  • 「考えられるリスクと頻度はどのくらいですか?」 – 主なリスクを具体的に挙げてもらい、その発生頻度(統計)が分かれば聞いてみましょう。「ゼロではないが◯%未満」など目安を示してくれる場合もあります。
  • 「万が一トラブルが起きたらどう対処しますか?」 – 例えば感染した場合はどうするのか、修正が必要になったら追加費用はどうなるのか、といったアフターケア体制を確認します。保証の有無や期間も聞いておくと安心です。
  • 「手術はどのような環境で行いますか?」 – オペ室の設備や麻酔科医の関与など、安全管理体制について尋ねます。高度な手術ほど設備とスタッフ体制が重要になるため、しっかり説明してもらいましょう。
  • 「過去にこの施術で合併症は経験しましたか?」 – デリケートな質問ですが、経験豊富な医師ほど何らかのトラブル対応も経験しています。その際にどう対処したか、学んだことは何かを聞けると、その医師の誠実さや力量が垣間見えます。

これらの質問にきちんと答えてくれる医師であれば、リスクに対して真摯に向き合っていると判断できます。逆に、「大丈夫ですよ」と具体性のない回答しかしない場合や、質問をはぐらかすような場合は注意が必要です。

万が一トラブルが起きたときの対処

どんなに気をつけても、ゼロリスクはあり得ません。万が一予期せぬトラブルや合併症が起きた場合、慌てず適切に対処することが大切です。

  1. すぐに施術を受けたクリニックに連絡: 異変に気づいたら、自己判断で放置せず速やかに担当クリニックへ連絡しましょう。症状を伝え、指示を仰ぎます。営業時間外でも緊急連絡先を案内している場合があります。
  2. 指示に従い受診する: クリニックから指示があればそれに従い、必要に応じて早めに受診します。感染症状があるなら早期の抗生剤投与で悪化を防げますし、何もしないほうが良いケースも専門医の判断が不可欠です。
  3. 他院のセカンドオピニオンも検討: もし施術を受けたクリニックの対応に不安がある場合や、客観的な意見が欲しい場合は、他院で診察を受ける選択肢もあります。ただし、勝手に他院で処置を受けると元のクリニックの保証対象外になる可能性もあるため、緊急時以外はまず元のクリニックに相談するのが原則です。
  4. 心身のケア: トラブルが起きると精神的にも落ち込みがちですが、自分を責めすぎないようにしましょう。必要であれば信頼できる人に話を聞いてもらったり、カウンセリングを受けることも検討してください。

ほとんどのトラブルは、適切な対応をすれば回復可能です。大切なのは、「おかしい」と感じたら早めにプロの判断を仰ぐことです。放置して悪化させることが一番避けるべきリスクと言えます。

まとめ

美容整形には素晴らしい効果が期待できる一方、常に一定のリスクが伴います。しかし、リスクを正しく理解し備えることで、不安を減らし安全性を高めることができます。

  • 美容整形全般に共通するリスク(感染、内出血、傷跡など)を知り、過度な恐れを抱かず冷静に備える
  • 施術ごとの特有のリスクも把握し、自分の受ける施術では何が起こり得るか事前に確認する
  • 信頼できる医師・クリニックを選び、カウンセリングで遠慮なくリスクや対策について質問する
  • 術前術後のセルフケアを徹底し、リスク軽減に努める(体調管理・指示遵守など)
  • 万が一トラブルが起きても迅速に適切な対応を取ることで被害を最小限に抑えられる

「絶対に安全」「100%失敗しない」という魔法のような美容整形は存在しません。だからこそ、リスクに向き合い、納得した上で施術を受けることが重要です。不安な点は事前につぶし、医師と二人三脚で安全に理想の自分へと歩んでいきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました