海外で美容手術を受けて帰国したあと、傷の赤みや痛みが気になる。でも国内の相談先を決めておらず、手術記録も手元にない――そんなときは、準備不足を責めるより、今の症状を診てもらうことを先に考えてください。海外の医院の返信や、記録が全部届くのを待ち続ける必要はありません。
この記事は、帰国後の不調で受診先を探している方に向けた案内です。急な症状の相談と、落ち着いてからの見た目の修正相談を分け、国内の医療機関が公表している窓口を一覧にしました。2026年10月27日に確認した情報で、個別の受け入れや治療結果を保証する一覧ではありません。
まず、修正手術の予約より「今の症状」を相談する
急な呼吸困難、突然の強い胸痛、意識がおかしいなどの場合は119番です。海外の執刀施設への連絡より救急対応を優先してください。救急車を呼ぶか、今すぐ受診するか迷う場合は、実施地域の救急安心センター「#7119」などに相談できます。地域ごとに対応時間や対象が異なります。
傷の赤み・腫れ・痛みが増す、膿が出る、発熱するなどの変化があれば、単にダウンタイムと決めつけず、医療機関へ早めに相談してください。「他院修正」の美容相談枠が空くまで待つのではなく、現在の症状と海外での手術歴を伝えて受診先を確認します。
消防庁:#7119の相談内容と実施地域/東京都:119番をためらわない症状
急な呼吸困難・強い胸痛・意識の異常
→ 119番。予約や海外からの返信を待たない
傷の悪化・発熱など、いま体調に変化がある
→ 症状を伝え、診察できる医療機関を相談。迷う場合は地域の救急相談へ
体調は落ち着いているが、形・傷跡・左右差を相談したい
→ 形成外科、美容後遺症外来、他院修正などの予約条件を確認
編集部作成の受診先整理図です。症状から病名や治療法を判定する図ではありません。
国内の受診先を自分で探す手順
- 地域名と相談目的で探す。例えば「川崎 形成外科 美容後遺症」「大阪 他院修正 海外手術」。急な症状なら、検索順位で医院を決めず救急相談から受診可能な場所を確認します。
- 医院の公式ページまで開く。広告やまとめサイトだけで決めず、「他院」「海外」「術後の合併症」「抜糸」「修正」のどこまで対応すると書いてあるかを読みます。形成外科があることだけでは、海外美容手術後の診療を受けられるとは限りません。
- 予約前に症状と手術歴を伝える。感染などの診察・処置が可能か、相談だけの外来か、紹介状が必要か、受診できる日時を確認します。受け入れが難しければ、どの診療科・医療機関へ相談すべきか尋ねます。
「セカンドオピニオン」は治療方針について別の医師の意見を聞くことです。診察・検査・処置をその場で受ける通常の初診とは扱いが違うことがあります。傷を診てほしい場合は、予約時にその目的を明確に伝えてください。
ナビイで近くの受診先候補を探す
厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)なら、地域と診療科目から国内の医療機関を自分で探せます。ただし、検索結果は「海外美容手術後の受け入れ確約リスト」ではありません。見つけた候補へ症状と手術歴を伝え、診察できるかを確認するために使います。
- 「医療機関を探す」→「キーワードで探す」を開く。最初の「キーワード種別」を「診療科目」に変え、傷や傷跡の相談先を探す例として「形成外科」と入力します。症状に合う診療科が分からない場合は、先に医療機関や地域の救急相談に尋ねてください。
- 「検索キーワード追加」で「所在地」を選ぶ。追加された欄に、通える市区町村名を入れます。例えば「川崎市」。自分の住所そのものを入力する必要はありません。「検索」を押します。
- 施設名を開き、診療科目・受付時間・電話番号・公式サイトを確認する。必要なら「条件を絞り込む」で調整します。候補が見つからなければ、隣接する市区町村まで範囲を広げます。診療科の受付時間と病院全体の開院時間は同じとは限りません。
- 受診前に電話する。「海外で○○の手術を受け、帰国後に○○の症状があります。現在の傷の診察・検査・処置はできますか。紹介状や予約は必要ですか」と確認します。見た目の修正相談と、感染など今の症状の診療は分けて伝えます。
フリーワードに「川崎市 形成外科」と一度に入力すると、診療科名以外の報告項目に一致する施設も表示されました。形成外科を探したい場合は、上記のように項目を分け、結果の「診療科目」も確認すると取り違えを減らせます。「海外」「他院修正」だけで結果が出なくても、受け入れ先が存在しないとは限りません。
今日の受診先を探す場合は、トップの「急いで探す」から「現在診療中の医療機関」「休日夜間対応医療機関」も利用できます。ただし、表示中でもその症状を診られるとは限らず、情報の更新にも差があるため受診前に確認します。冒頭の緊急症状があるときは、検索を続けず119番などの対応を優先してください。
厚生労働省:ナビイの使い方。操作項目は2026年10月27日の画面で確認しました。以下の医療機関一覧は専門的な相談窓口の例、ナビイは近くの候補を追加で探す方法として使い分けてください。
他院手術後の相談を案内している国内の医療機関
以下は公式サイトで確認できた相談先の例です。推奨順位ではなく、全国を網羅した一覧でもありません。急性感染の当日対応、海外手術の受け入れ、対象部位、費用はそれぞれ別に確認してください。電話による個別の受け入れ確認は行っていません。
| 医療機関・地域 | 公式に案内している内容 | 予約前に確認すること |
|---|---|---|
| 日本医科大学武蔵小杉病院 神奈川・川崎 |
美容後遺症外来。美容外科手術後の後遺症の診断・治療を案内。第4金曜午前、完全予約制・自費診療。 美容後遺症外来の公式案内 |
海外手術後の具体的な症状が対象か、必要資料と紹介状。月1回の専門外来なので急な症状の受診先とは分ける。検査で異常がない場合など、治療が難しいこともあると説明。 |
| 神戸大学医学部附属病院 美容外科 兵庫・神戸 |
他院施術の修正相談をできる限り受け入れる方針を説明。海外手術後の患者についても公式コラムで言及。 海外手術と修正相談についての公式説明 |
コラムは現在の空き枠や全例の受け入れを示すものではない。対象の手術、診療日、予約・紹介状の条件、感染などの診察先を病院へ確認。 |
| 銀座すみれの花クリニック 東京・銀座 |
国内・海外の他院で手術を受けた人の相談を受ける方針を明示。記録や現在の状態から再手術の適否を評価すると説明。 他院・海外手術後の相談方針(英語) |
対象部位と症状、受診時期、費用を確認。再手術が適さない、治癒を待つ必要がある場合もある。相談可能と再手術可能は同じではない。 |
| 銀座マイアミ美容外科 東京・銀座 |
美容外科のセカンドオピニオン外来を案内。手術記録・紹介状・検査結果などを用いた治療方針の相談。オンライン相談も案内。 セカンドオピニオン外来の公式案内 |
海外手術後の症状が相談対象か、対面の診察・処置が必要かを確認。オンラインで意見を聞くことは、傷の対面診察や救急対応の代わりにはならない。 |
| 恵聖会クリニック 大阪・心斎橋/京橋/梅田 |
他院での術後にアフターフォローを受けられない場合も含め、修正相談を案内。目・鼻・豊胸・脂肪吸引・傷跡などを例示。 他院修正の公式案内 |
海外手術の対象可否と担当院を確認。以前の術式や状態によって修正できない場合、期間を空ける場合がある。急な感染の受診は別途確認。 |
費用は診察・検査・処置・修正手術で分かれます。美容目的の修正と、症状に対する診療を混同せず、保険の扱いも含め医療機関に確認してください。海外施設の「保証」が日本の医院の費用まで負担するとは限りません。
手術記録がなくても、まず伝えられることがある
電話では、次のように短く伝えます。分からないことは推測で埋めず「不明」としてください。
「○月○日に○国で○○の手術を受け、○日に帰国しました。○日から傷の赤みと痛みが増えています。国内の通院先は決まっていません。手術記録はまだありませんが、現在の症状を診てもらえますか。」
手元にある薬の袋、領収書、同意書、医院とのメッセージ、経過の写真を用意します。執刀施設には、手術日・術式・使用した材料や薬・検査結果・術後経過の記録を依頼します。資料が不足していることは最初に伝え、緊急の受診を記録待ちで遅らせないでください。薬を自己判断で増減したり、残っている抗菌薬を使い始めたりせず、医師に相談します。
CDC報告:帰国後しばらくして感染が分かった事例
米国CDCは2026年10月22日、2025年4〜9月にメキシコの同じ病院・同じ医師からフェイスリフトを受けた米国居住者の感染事例を公表しました。10月19日時点で非結核性抗酸菌(NTM)感染の確認例は5人。症状が出るまでの期間は手術から4〜112日でした。
現地調査では手術器具の滅菌の不備が見つかり、手術区域の閉鎖などが行われました。NTM感染は通常の細菌培養だけでは診断が難しい場合があると報告されています。術後の腫れをすべてNTMと考える必要はなく、渡航・手術歴を医師へ伝え、必要な検査を判断してもらうことが大切です。
この5例から、海外手術全体や日本の手術の感染率は計算できません。特定施設に関連する報告を、海外の美容医療すべての評価に広げないようにします。
これから渡航する人は、国内の受診までつながるか聞いておく
海外の治療先には、帰国後の相談窓口だけでなく、「対面診察が必要になったら日本のどこに相談できるか」「紹介先への連絡をしてくれるか」「記録の発行と追加費用はどうなるか」を尋ねます。医院名を教わっただけでは受け入れ確定ではないので、国内側にも条件を確認します。
すでに帰国して困っている方は、完璧な準備を今から揃えようとせず、まず現在の症状を伝えて受診先につながることを優先してください。CDCの医療渡航・帰国後の診療案内も、合併症が疑われる場合に受診を遅らせないよう勧めています。


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